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「団体信用生命保険(団信)」とは?2022.7.7
住宅購入で住宅ローンを組む場合、ほとんどのケースで、この「団体信用生命保険」への加入が必要となります。
では、「団体信用生命保険」とは一体なんなのか?と疑問をお持ちの方に、この保険についてご紹介いたします。
団体信用生命保険とは
団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者に万が一のことがあったときに、家族や家を守ることを目的とした保険のことです。
省略して「団信」と呼ばれることが多いです。
ひとくくりに団信といっても、金融機関や住宅ローン商品によって様々な種類があります。
基本的な団信の目的
住宅ローンを利用する場合には、万一の不測の事態も考えなければなりません。そのとき収入が激減すれば、たとえ一般の生命保険に加入していても、受け取った保険金を生活費に回さざるを得ず、マイホームに住み続けるのが困難になります。
団信に加入していれば、住宅ローンの返済期間中に万が一のことがあった場合、保険金により残りの住宅ローンが弁済されるのです。
そのため残されたご家族に住宅ローンが残らず、マイホームに安心して住み続けることができるのです。
団信と一般的な生命保険の違い
生命保険会社が取り扱う団信以外の死亡保険を「一般的な生命保険」として比較した場合。
①保険料の負担
一般的な生命保険の場合、保障内容に応じた保険料を保険契約者が負担しますが、住宅ローンの団信の場合、実質的には保険料が住宅ローンの金利の中に含まれているので、追加で保険料が発生しないことが通例です。
②年齢別の保険料
団信は年齢などの保険料の違いはありません。
【例】
- フラット35の場合 上乗せされる金利は一律
- 保険料が住宅ローン金利に含まれる場合 年齢や性別による差はありません
保険料は借入金額や保障内容次第で変わることになります。
③保険金の受取人
団信で支払われる保険金の受取人は、住宅ローンを融資している金融機関になります。金融機関は受け取った保険料で住宅ローンの残債を全額返済するので、債務者やそのご家族のその後の返済が不要となります。
④保障期間
通常、団信の保障期間は、住宅ローンの返済期間と連動し、住宅ローンの融資が実行されると同時に保障が開始され、完済すると保障も終了します。返済中に繰り上げ返済をして返済期間が短くなった場合も同様に連動します。ただし、保険料(特約料)の支払いをもって保障が開始されるタイプや、返済期間中でも一定の年齢で保障が終了するタイプの団信もあるので、注意が必要です。
⑤生命保険料控除
生命保険料控除の対象となる保険契約とは、保険金の受取人が保険契約者か配偶者、あるいはその他の親族(6親等以内の血族と3親等以内の姻族)でなければなりません。したがって、保険金の受取人が金融機関となる団信の保険料は生命保険料控除の対象とはなりませんが、一般的な生命保険であれば、上記の範囲で受取人を指定することで、その対象となります。
もし加入しない場合は他の生命保険で補う
団信の加入は必須ではありませんが、ほとんどの金融機関がこの保険の加入を融資の要件としているので、団信に加入しないケースはほぼありません。
団信に加入せずに数千万円の住宅ローンを組む場合は、他の生命保険で補うなど、万が一の備えをしっかり用意しておく必要があります。
保障される範囲
特約なしの団信の保障内容
団信の目的は、住宅ローン契約者の万が一に住宅ローンの残債を全額弁済し、ゼロにすることです。
しかし、保障内容は、金融機関や加入プランによってさまざまです。
一般的な団信は、契約者が死亡、または所定の高度障害状態に該当したときに住宅ローンがゼロになります。
例えば両目の視力を失い回復の見込みがない場合は高度障害状態と認定される場合があります。
怪我や病気で働けなくなることも想定した場合、この保障内容では不安が残りますね。
そのような場合でも対応できるように、特約による手厚い保障内容の団信を検討しておくことが安心に繋がります。
特約付き団体信用生命保険
・3大疾病
がん(上皮内がんや皮膚の悪性黒色腫以外の皮膚がんを除き、ガンと医師から診断されたとき)、脳卒中、急性心筋梗塞の3大疾病に罹患し、所定の状態に該当した場合に保障対象となる特約です。
・所定の身体障害状態
病気や怪我を問わず人工透析を受けている、心臓のペースメーカーを装着しているなど、所定の身体障害状態に該当した場合に保障される特約です。
・要介護状態
公的介護保険制度で、要介護状態の認定を受けた場合に保障される特約で、同じ名前が付いた団信の特約でも、保障範囲や保障が受けられる条件は金融機関によって異なります。
要介護レベルの条件に違いが見られることもあるので、事前に確認しておくことが大切です。
・8大疾病保障付き団信
3大疾病に加えて高血圧症、糖尿病、肝硬変、慢性腎不全、慢性膵炎といった生活習慣病を含む8つの病気のいずれかを発症し、所定の就業不能状態になって住宅ローンの返済ができない状態が一定期間を超えて続いた場合に保険料が支払われる可能性があります。
対象となる病気や条件は金融機関や商品によって異なります。
夫婦連生団信
夫婦の収入を合算して住宅ローンを契約する場合などに利用できる団信です。夫婦の一方が主債務者、もう一方が連帯債務者になる「連帯債務型」の住宅ローンで利用されることがあります。
同様に夫婦で協力して借入れる形式である「ペアローン」の場合、1つの物件に対して夫婦それぞれが住宅ローンを契約するので、一方の債務者が亡くなっても、もう一方の債務者の住宅ローン残高は残ったままとなります。
「連帯債務型」の住宅ローンで夫婦連生団信を利用すると、夫婦どちらか一方が死亡または高度障害状態になったときに住宅ローンの残債が全額返済されるのが一般的です。
保険料の支払いについて
団信の保険料は金融機関が負担しますが、一般的に住宅ローンの金利に含まれています。
また、特約を付加する場合は年0~0.3%程度の金利が上乗せさることが多いです。
ただし、死亡や高度障害状態のみを保障対象とする特約なしの内容であれば、多くの場合、金利の上乗せなしで加入可能です。
三大疾病や所定の身体障害状態、要介護状態なども保障対象とする特約をつける場合は、金利が上乗せされ、住宅ローンの返済額とともに支払います。
保障内容を拡充すれば、毎月の支払額が増えることになりますが、その分、充実した保障が受けられるのは安心材料になりますね。
保険の加入による住宅ローン金利の優遇
団信の特約を付加すると金利が上乗せされることが一般的ですが、金融機関によっては、所定の団信に加入することで住宅ローン金利が優遇されるケースがあります。
保険の加入に必要な条件
条件①住宅ローンをこれから借りる人
一般的に団信への加入は、新規借入れや借り換えをする人に限られます。また、加入後に団信のプランを途中変更することはできません。
そのため、今後数十年間にわたって続く住宅ローン返済中に不安が生じないように、団信の保障内容に問題がないか慎重に判断したうえで、住宅ローンを契約することが重要です。
条件②健康状態など所定の条件を満たした人
住宅ローン契約者は、現在の健康状態や持病の有無、在住歴などを正直に告知する必要があり、健康状態や持病によっては団信に加入できない可能性があるので注意が必要です。
団信は、金融機関が保険契約者と保険金受取人となり、住宅ローンの利用者が被保険者となる生命保険です。そのため、通常の生命保険と同様、加入時には健康状態の告知をする必要があります。
持病や病歴など健康上の理由で団信に加入できない場合は、加入条件が緩和されている「ワイド団信」を選ぶこともひとつの方法でしょう。
免責事項をよく確認する
団信には免責事項が定められていることがあります。免責事項に該当する場合は、保険金の支払いが行われません。
例:
- 被保険者が保険の契約後、短期間で自殺した場合
- 告知内容に誤りがあった場合
- 被保険者の故意によって高度障害状態になった場合
などがあるので団信の契約書類などで詳細を確認するようにしましょう。
解約後には再加入できない
原則として、特約付団信は一旦解約してしまうと再加入できません。
まとめ
このように住宅ローンを組む際に加入が必要となるケースがほとんどな団体信用生命保険ですが、健康な状態でないと加入できなくなってしまうので、是非健康なうちに自宅を購入し、団信に加入することで安心して住み続けられるようにすることをおすすめします。
なにか気になることなどございましたら、お気軽にお問い合わせください✨